準備段階コンソーシアム代表幹事 藤井孝藏
準備段階コンソーシアム代表幹事 藤井孝藏
事業仕分けでの指摘をきっかけとして、次世代スーパーコンピュータ「京」を単独の超大規模コンピュータではなく、大学や研究機関が有する国内HPC計算資源も含めた日本全体のスーパーコンピュータインフラの中に位置づけることが求められています。そのため、「京」と国内の計算資源を連携して最大の成果の創出に結びつける革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築と利用を主導する場として「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)コンソーシアム」の発足が決定しました。
HPCIコンソーシアムは、「京」本格運用に先立ち平成24年度春の正式発足を予定しており、そこに向けた検討と準備を進めるのが本「HPCI準備段階」コンソーシアムの使命です。参画する約40の構成機関は公募によって決まりました。
ボトムアップの考え方に従い、具体的なコンソーシアムの活動を構成する研究者コミュニティ自身が議論していくことになります。さまざまな不確定要素の中で方向性や活動内容を決めるのは容易ではありませんが、世界最高水準の成果創出と成果の社会還元という共通の理念のもとで、構成機関代表の方々の協力を得て、検討と準備を進めていきます。HPなどで広く意見をいただく場も用意していきますので、みなさまのご協力をよろしくお願い申し上げます。
革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)準備段階コンソーシアム
平成22年度予算において、次世代スーパーコンピュータを中核とし、次世代スーパーコンピュータと国内の計算資源を連携して利用するための革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(以下「HPCI」)を構築していくことと、この構築を主導するコンソーシアムを形成することが決定されました。
文部科学省において、本年3月、HPCI検討ワーキンググループ(中川正春文部科学副大臣主宰)を設置し、HPCIの在り方やコンソーシアムの在り方について検討を行うとともに、更にユーザー等から幅広い意見を得るために意見交換会や意見募集が実施されました。この結果を踏まえ「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)とこの構築を主導するコンソーシアムのグランドデザイン」が決定されました。
本コンソーシアムは、このグランドデザインに基づき、HPCIの運用が開始する平成24年度の本格運営段階に向け必要な検討と準備を行うことを目的として、文部科学省により参画機関の公募・決定が為されたものであります。
コンソーシアムが目指すもの
我が国の計算科学技術振興の中心となり、世界最高水準の成果創出と成果の社会還元を推進
上記の達成を将来にわたり支える基盤としてHPCIを整備
- 世界トップクラスの大規模スパコンとその他の主要計算資源をユーザが容易に利用できる環境を構築
- 我が国の科学の進展に大きな飛躍をもたらすために必要な機能を提供
- 我が国の産業競争力強化に資するために必要な機能を提供
- 研究コミュニティ、産業界の利用のみならず人材育成、裾野の拡大にも貢献
コンソーシアム準備段階の検討課題
オールジャパンの計算科学技術体制構築
- 次世代スパコン拠点、戦略機関、大学情報基盤センター、その他のコンソーシアム参画機関の役割
HPCI運営に必要なガバナンス(体制とルール)
- ユーザ意見の集約と反映のためのメカニズム
- HPCI運営手法(共用計算資源の管理、課題選定と計算資源の配分、セキュリティ等運用ポリシーなど)
- 参画機関のHPCI運営における役割と責任
- 計算資源の提供に対し必要な予算的措置等
HPCIの基本仕様と開発スケジュール
- ストレージ、ネットワーク、ミドルウェア
- 具体的な機能
- 参画機関にどの程度の資源量の提供を求めるか
HPCI利用手続き、ユーザ支援
- 次世代スパコン拠点、戦略機関、大学情報基盤センター等の役割
- 登録機関との関係
- ユーザ支援内容(アプリ調整、可視化等)
- ソフトウェアの整備・普及)
人材育成(アカデミアと産業界)
- HPCI上の計算資源を利用した人材育成方策
- HPC人材の裾野を拡げる取組 等
- 産業利用の促進方策
- HPCIを通じて得られた成果の社会還元方策
革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築を主導する準備段階における
コンソーシアム構成機関
ユーザコミュニティ機関(13機関)
- 独立行政法人理化学研究所
- 計算物質科学イニシアティブ(代表機関:東京大学 物性研究所)
- 独立行政法人海洋研究開発機構
- 東京大学 生産技術研究所
- 計算基礎科学連携拠点(代表機関:筑波大学 計算科学研究センター)
- スーパーコンピューティング技術産業応用協議会
- 財団法人計算科学振興財団
- 特定非営利活動法人バイオグリッドセンター関西
- 独立行政法人宇宙航空研究開発機構
- 独立行政法人日本原子力研究開発機構 システム計算科学センター
- 自然科学研究機構 核融合科学研究所
- 名古屋大学 太陽地球環境研究所
- 神戸大学
計算資源提供機関(25機関)
- 北海道大学 情報基盤センター
- 東北大学 サイバーサイエンスセンター
- 東京大学 情報基盤センター
- 名古屋大学 情報基盤センター
- 京都大学 学術情報メディアセンター
- 大阪大学 サイバーメディアセンター
- 九州大学 情報基盤研究開発センター
- 筑波大学 計算科学研究センター
- 東京工業大学 学術国際情報センター
- 東北大学 金属材料研究所
- 東京大学 物性研究所
- 京都大学 基礎物理学研究所
- 大阪大学 核物理研究センター
- 高エネルギー加速器研究機構 共通基盤研究施設 計算科学センター
- 自然科学研究機構 国立天文台
- 自然科学研究機構 分子科学研究所 計算科学研究センター
- 情報・システム研究機構 統計数理研究所
- 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 情報・計算工学センター
- 独立行政法人海洋研究開発機構 地球シミュレータセンター
- 独立行政法人産業技術総合研究所 情報技術研究部門
- 独立行政法人日本原子力研究開発機構 システム計算科学センター
- 独立行政法人理化学研究所 情報基盤センター
- 独立行政法人理化学研究所 計算科学研究機構
- 情報・システム研究機構 国立情報学研究所
- 財団法人高度情報科学技術研究機構