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一般社団法人 HPCIコンソーシアム
ユーザー視点のインフラ構築を目指して
コンソーシアムの概要 コンソーシアムの概要

理事長挨拶

一般社団法人HCPIコンソーシアム 朴理事長

2020年5月27日に開催されました社員総会における推薦を受け、本コンソーシアムの5代目の理事長に就任しました、筑波大学計算科学研究センターの朴泰祐です。今後2年間、本コンソーシアムの発展に尽力して参りたいと思っております。どうぞよろしくお願い致します。

HPCI (High Performance Computing Infrastructure:革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)コンソーシアムは、「京」コンピュータの製造に当たり寄せられた各種ご意見がきっかけとなり、フラグシップ計算機「京」を中核とし、様々なユーザからのニーズに応える計算環境を構築すると共に、これを円滑かつ有効活用するユーザコミュニティとシステム提供機関との連携を主目的として誕生しました。ユーザとシステムの両サイドのコミュニティはHPCを推進する両輪であり、両者の連携が密に行われてこそ、計算科学・計算工学及び高性能計算のための計算機科学の研究が発展します。これを具現化する枠組みがHPCIコンソーシアムであり、2012年4月の創設以来、我が国の高性能計算技術とその応用を基本から支える重要な役割を果たしてきました。また、HPCIコンソーシアムの下で、「京」コンピュータだけでなく、主な国立大学法人・国立研究開発法人が運用するスーパーコンピュータ群、いわゆる「第二階層」と呼ばれるシステム群運用機関も、当コンソーシアムの一員としてユーザニーズを支える重要なリソースを提供しています。

長期間、ナショナル・フラグシップ・システムとして運用されてきた「京」コンピュータは、2019年8月をもってその運用期間を終了しました。そして、2021年度より公式な運用開始が予定されているスーパーコンピュータ「富岳」が新たなナショナル・フラグシップ・システムとして登場します。ご存知の通り、「富岳」は2020年6月のTOP500リストで世界第一位にランクされ、その公式運用を多くのユーザが待っている状態です。それを待つ間、第二階層のスーパーコンピュータ群がユーザニーズを支え、HPCI全体として計算資源は枯渇することなく順調に供給されており、これも当コンソーシアムの重要な活動となっています。また、あまり目立ちませんが、ユーザが簡単なシングル・サインオン・システムによってあらゆるスーパーコンピュータにアクセスできたり、それらの間で大規模共有ファイル・システムが簡単に利用可能なことも、HPCIが提供する重要な機能です。

2020年度開始早々、世界は新型コロナウィルス感染症という大変な局面を迎えました。この世界的大問題に対し、高性能計算技術をどのように活用できるかというのは大変重要な課題です。HPCIではこれを最重要課題の一つと捉え、年度立ち上げの時期ではありましたが、いち早く関連する重要な研究に対し計算資源を適切に割り当てるという作業に取り掛かり、2020年6月現在、13の特別課題において11の第二階層システム提供機関からの計算資源が活用されています。このように、今必要とされる緊急課題に対しても迅速に対応する体制が必要であり、従来からの通常の課題募集・採択・実行というフェーズだけでなく、HPCIの果たす役割が大きいことが図らずも示されることになりました。また、2020年6月には文部科学省に対し、「今後のHPCIシステムの構築そその利用に関する基本的な考え方について」を手交させて頂き、HPCIシステムを支えるハードウェア・ソフトウェア・運用体制等、我が国のHPC基盤のさらなる発展のための我々の考えを提言としてまとめさせて頂きました。

これらの活動は、当コンソーシアム創設来、宇川彰・藤井孝蔵・中島浩・加藤千幸の各理事長を始め、数多くの社員と参画機関及びユーザコミュニティ、そして文部科学省の強い連携の下で進められてきました。2020年4月1日現在、HPCIコンソーシアムは社員40名(うちユーザコミュニティ代表22名、システム構成機関代表18名)及びアソシエイト会員15名の合計55名からなる過去最大数のメンバーを有し、順調に発展してきています。今後、ますます重要となる計算科学・計算工学の研究ニーズに応え、同分野の研究力と産業応用力を支える重要な柱として当コンソーシアムの活動を推進して参りたいと思います。皆様のご協力をよろしくお願い致します。