大学発ベンチャー企業による宮崎市中心部の津波シミュレーション。津波が河川や建物を回り込んで遡上する様子や、道路が川のように浸水する姿がリアルな動画で再現され、津波浸水による道路や構造物への影響が確認できた。
船舶設計の効率化に向けて、船体周りの複雑な乱流の動きを世界で初めて詳細に再現した実験結果。プロペラ付近の最も渦が強い部分が灰色で示され、次いで船体や舵付近の渦の強いところが赤色で、弱いところが青色で示されている。
アジア地域でエコカーを普及させて窒素酸化物の排出を人為的に削減した場合の環境予測実験結果。赤い部分は、二酸化硫黄とブラックカーボンの濃度の月平均値が高い地域を表している。環境改善には時間がかかるため、2030年では赤い部分が残っているが、2050年では環境汚染物質が大きく減少するという予測結果が得られた。
第一原理計算手法によって導き出された、理論模型を構成する電子の波動関数を可視化した図。電子の振る舞いを規定する理論模型を導き出し、それを解析することによって、電子同士の相互作用の結果何がおきるか(例えば金属になるか、絶縁体になるか、超伝導になるか)を明らかにすることができる。
50万原子に及ぶ非常に複雑な生体分子系である多剤排出トランスポーターAcrBが、膜内アミノ酸の状態変化を駆動力として薬を排出する様子を再現し、薬が細菌内から排出されるメカニズムを初めてシミュレートした。
宇宙最大の爆発現象といわれるガンマ線バーストのジェット形式の数値シミュレーション例。高速回転しているブラックホールからジェットが噴出している様子を再現している。色は密度、白線は磁力線を表す。
カイコガの嗅覚系神経回路網(約1万ニューロン)を再現し、その活動の様子を時系列に並べたスナップショット。神経信号が、左右の前運動中枢内を広がっていく様子が表されている。
分子動力学シミュレーションによって、CDK2という酵素(がんの原因分子の1つ)に薬候補の化合物(黄色)が結合する様子を計算した結果(本来は動画)。酵素の周りに広がっているのは水分子。
水たまり走行中の「水はね衝撃」によるボディ下部への影響を、シミュレーションによって時系列に沿って再現し、ボディ下部に加わる力を解析した。
伊豆大島での豪雨における観測データ(左)と再現実験結果の比較。降水帯の中心位置が観測よりも伊豆半島側にずれたが、水平解像度250m(右)では、観測とよく似た位置に降水帯が再現されている。
風洞実験施設を忠実に再現した最大100億格子のシミュレーションにより、局部風圧による複雑な流れ場の挙動を詳細に再現。この知見から、隣接建物の空間配置を工夫するなど、局部風圧の軽減や制御のための対策が検討できるようになった。
一般社団法人 HPCIコンソーシアム HPCIが拓く科学技術の未来 (2017年3月17日) より
細胞・組織・臓器を部分ではなく、心臓全体をありのままに再現し、心臓病の治療法の検討や薬の効果の評価に貢献
新薬の候補物質を絞り込む期間を半減(約2年から約1年)して画期的な新薬の開発に貢献
50m単位(ブロック単位)での予測から地盤沈下や液状化現象等の影響も加味した10m単位(家単位)の詳細な予測を可能とし、都市整備計画への活用による災害に強い街作りやきめ細やかな避難計画の策定等に貢献
乱流の直接計算を工業製品の熱流体設計に適用することにより、従来行われていた風洞実験などを完全にシミュレーションで代替し、設計の効率化に貢献。
ナノレベルの精密シミュレーションにより、低消費電力トランジスタなどの新しいデバイスや高効率な電池材料などの機能性材料の開発等に貢献
世界初の雲まで解像できる高解像度の大気モデルを用いて、熱帯の巨大積乱雲群の東進を予測。2週間以上先の天気予報の可能性を切り開く
高精度な一般相対論的流体計算及びニュートリノ輻射輸送計算で、従来再現に成功していない重力崩壊型の超新星爆発及びブラックホール誕生過程を解析、評価する。
ミクロンオーダーの渦まで再現することにより、予測精度を飛躍的に向上させ、実験を完全にシミュレーションで代替し、開発コスト・開発期間を大幅に削除することを目指す。
文部科学省 今後のHPCI 計画推進の在り方について(中間報告)平成25 年6 月25 日 より